海、それは私たちの魂の中にあるもの

漁業コミュニティーは、何千年もの間、ノルウェーの魂そのものでした。私たちの祖先の技能や知恵は私たちと共に生き続け、技術や習わしは、最高品質の海産物を捕るために長年を掛けて改良されてきました。

さばはノルウェーの歴史に古くから関与しています。ラルビーク付近のケウパン(Kaupang)という地で行われた考古学の発掘から、ヴァイキングたちもおいしいさばを好んで食べていたようです!

ぺーダー・クラウソン・フリース(Peder Claussøn Friis)祭司が著書『Norges beskrivelse』にて、さばについて記載。当時から釣り針や釣り糸、巾着網などを利用しさば漁業を行っていたと記されています。また、「さばは脂がのっていて、とても味わい深く、おいしい魚である」との記載も残っています。

夏の味覚

さばはノルウェーにとって、文化的にも経済的にもとても重要な部分を占めています。特に、さばが多く生息しているノルウェー南部の沿岸地域では、さばは生活の一部となっており、「南ノルウェーの国魚」とされています。

ノルウェーでは、さばは古くから夏が旬の魚として知られています。夏になると一斉に北を目指し泳ぐのですが、その際ノルウェーの岸に近づきます。巾着網が発明される前までは、ノルウェー岸にさばが一番近づくこの時期が、さばの漁獲に最も適しているとされていました。技術が発展した現在では、さばの漁獲のシーズンは秋になりましたが、昔の名残から、ノルウェー人にとってさばは今も「夏の味覚」として親しまれています。

19世紀半ばには、さばはノルウェー人の中心的な食材でした。鮮魚が富裕層でなければ手に入らない高級品であった頃、一般のノルウェー人は、塩漬けや燻製、または保存食のさばを食べていました。当時は濃い塩水に魚を漬ける保存方法が主流で、さばは大きな樽の中で保存されていました。多くのノルウェー人が冬に備えて樽一杯のさばを貯蔵していたようです!

スプラット:新たな冒険の幕開け

1890年後半の缶詰工場の導入は、ノルウェーの漁師に大きな変化をもたらしました。缶詰工場が導入されたのです。スプラット(ニシン科の小形種)は、ブランド化されたパッケージを飾る缶詰の主役となり、この新らたな活気に満ちる産業の屋台骨となりました。後に、小形のニシン、そしてさばもスプラットとともに缶詰産業の重要な製品となりました。この頃に缶詰で誕生したさばのトマトソース漬けは、今なおノルウェーのサンドウイッチの定番になっています。 

1920年代には、スタヴァンゲルに70前後の工場が存在するようになり、ノルウェーの缶詰産業で最も際立った都市となりました。現在、スタヴァンゲルには缶詰産業専門の博物館があるほどです!

さば漁業の進化

さばは、季節によって生息地が変わる遠海魚です。一年を通して栄養価の高いさばを食卓に提供できるよう、ノルウェーの漁師達は古くから知恵を絞り、季節によるさばの漁業術を生み出してきました。

春に、さばがノルウェー南部のスカゲラク海峡を通るときは、刺し網漁船で漁獲します。夏は、ノルウェー沿岸を通るので、曳縄漁船を使った漁をします。秋にはボートで沖に繰り出し、手釣り漁とよばれる方法で北海に逃れるさばを漁獲しました。

19世紀後半になると、北海にもさば漁業に繰り出すようになりました。この時期のさばは、特に栄養価が高く、一層味わいの深い「秋さば」として知られています。それまで曳網釣りで漁を行っていましたが、20世紀中盤に登場した巾着網の漁法に置き替わっていきました。

巾着網漁法の導入

そして、1940年代には、巾着網漁法の採用で、より効率の良い時代へと移って行きました。強力な漁獲が可能になったおかげで、ノルウェーのさば産業は再び急成長期を迎えました。この頃のナイロンの導入により、漁網の損傷が少なくなり、成長はさらに加速化されたのです。

Infographic showing a boat with a purse seine

巾着網漁法が導入されたのは1962年です。この巻き網漁船は遠洋での巾着網による漁業を可能にし、さらに漁業の幅も拡大したことから、ノルウェーの漁業は新時代を迎えることになりました。約500隻の巻き網漁船が造船された1966年は、ノルウェー漁業市場最大の転換期であったとされています。 以来、政府の漁獲割当と制限を守りながら、ノルウェーのリング・ネット船団は、世界で最も効率の良い船団のひとつに数えられるようになっています。

将来を確保する

ノルウェーの漁業は、過去の歴史であるばかりではありません。テクノロジーや漁獲方法の革新、国際関係により、ノルウェーは以前に増して経済的にさばに頼るようになっています。漁獲したさばの総量のうち、実に98%は国外に輸出されます。

ノルウェー特有の自然、文化、そして資源管理の連携により、ノルウェーの水産物は、国際市場でも世界レベルの製品となっています。2019年、ノルウェーのシーフードの輸出高は1070億ノルウェー・クローネ(NOK)で、その内、さばは42.8億ノルウェー・クローネ(NOK)でした。

2015年度、シーフード部門におけるノルウェーの輸出総額は745億NOK(ノルウェークローネ)でした。

Infographic: fish with export value Norwegian mackerel

さばの輸出額